相続税のコラム

2012年9月28日 金曜日

相続税精算課税制度

相続税精算課税制度とは・・・・・・

 贈与者(父または母)からの贈与『生前贈与』についてあらかじめ贈与税を納め、後に贈与者が亡くなったときに相続財産と合算し贈与税と相続税と精算するというものです。

 ただし、2,500万円の特別控除枠がありますので、あらかじめ納める贈与税はこの2,500万円を超える部分について課税されます。


*相続時精算課税制度の活用法*

①将来、財産の価値が増加しそうなものに適用すると有利
 相続時精算課税を選択した場合、親の死亡時に相続財産とみなされる 生前贈与財産の価額は贈与時の価額ですので、将来的に財産の価値が増加しそうなものがあれば、早めに親から子に移転すると相続税の負担を軽くできます。

②相続税の納税資金負担が楽になる
 親が健在なうちに徐々に財産の移転をして将来納める相続税の前払いとして贈与税を納めれば、親の死亡時の納税資金負担が楽になります。

③財産から発生する収益を相続財産から除くことができる
 将来、収益を生む可能性がある財産を早めに親から子に移転すると、親の死亡時に収益部分も含んだ相続財産となるのを防げます。

※ただし、相続時精算課税を一度選択すると二度と取り消すことはできません


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 この相続時精算課税制度には次のような適用要件があります 

贈与を受けた子は贈与を受けた年の1月1日現在で満20歳以上である
               ↓ YES
贈与をした人はその贈与をした年の1月1日現在で満65歳以上である
 (注)住宅取得資金(敷地の先行取得を含みます)について、相続時精算課税制度を受ける場合、平成26年12月31日までは贈与者(親)の年齢制限がありません。
               ↓ YES
贈与を受けた子は贈与をした人の直系卑属である推定相続人である

上記の要件を満たし、かつ、手続き(『相続時精算課税選択届出書』の提出)をした場合に適用を受けることができます。


** 有利か不利か **

 相続時精算課税を選択した場合には、通常の贈与とは別枠で贈与税を計算し選択後累積で2,500万円までは贈与税が課税されず、それを超えた部分について20%の贈与税が課税されます。
 贈与時にはこの2,500万円の特別控除のおかげで贈与税が軽減され、一見得をしているかのようにも見えますが、親の死亡時に累積生前贈与財産と死亡時の相続財産と合算され相続税の再計算がされるので財産の価値に変動がなければ基本的には贈与税・相続税の合計額は変わらないことになります。

 相続時精算課税を選択すると通常の暦年課税の基礎控除額110万円は使えないので、毎年少しずつ贈与があった場合には相続時精算課税を選択したほうが不利になることもあります。

 ただし、相続時精算課税制度では、生前に納めた贈与税額が相続税額を超えてしまった場合には、その超えた部分の税額は還付を受けることができます。

投稿者 資産税部 井上祐一  《岐阜市//相続税》